剛毛で脱毛方法を模索。ムダ毛の処理に悩みました。

私は30歳の公務員です。普通の体型、普通の容姿、しかしムダ毛に関しては、家族は皆薄毛でも私だけが何故かふっさふさの剛毛なのです。兄が二人いるのですが、二人共つるつるの肌をしているので、小さい頃から「どうして私だけ」と悩み続けてきました。

お金のない学生時代は、父のひげ剃り用のT字カミソリを使ってこっそり除毛していましたが、それだとチクチクするので、偶然他人と触れ合った時にバレてしまうためやめました。

脱色すればいいとクラスの噂で聞いたので試してもみましたが、間近で見ると一目瞭然ですし、少しでも伸びれば中途半端に目立つのでこれも断念。

社会人になるとお金に余裕も出てきますが、エステなどの脱毛は敷居が高くてとても行けません。せめて共に悩む仲間がいればまた違ったのでしょうが、何故か私の友人はムダ毛がない子ばかりなのです。

そのため、しばらくは家庭用の脱毛器を使って脱毛に励んでいました。ちなみに脱毛器も痛い時は痛いので、それこそ血の滲むような努力をしていました。

デリケートゾーンの脱毛は痛み耐えられず放置しました。

しかし、デリケートゾーンに限っては痛みに耐え切れず放置したまま。まあ彼氏もいないことだし見られることもないからいいや…と放っていたのですが、そんな私にもついに彼ができてしまいます。

彼とは遠距離恋愛のため、主にスカイプなどでやりとりしていたので、会うのは二ヶ月に一回程度で進展もゆっくりとしたものでした。そのためデリケートゾーンの脱毛については急ぐことはないと思い、のんびりとネットで良い脱毛方法を検索していたところ、なんとなく気になる商品を発見しました。

値段は500グラム4千円ほどの除毛クリーム。口コミでは評判が良いようです。早速取り寄せて使用してみたところ、あれだけ悩んでいた剛毛がするんときれいさっぱりなくなったではありませんか。

これで彼と会った時にも大丈夫、と早速自信を持って彼の家に行く予定を立てました。しかし彼の都合がなかなか合わず、結局会えるのは半年後になってしまいます。

まあ除毛はまた予定が近づいてからやり直せばいい…、そう考えて半年後を楽しみに待っていました。そしてついに迎えた当日。飛行機で彼の地元に着くと予約していたビジネスホテルにチェックインし、彼の仕事が終わるまで一人観光地をぶらぶらします。

ついに彼との夜。なんとデリケートゾーンの除毛を忘れていました。

夜になりホテルに戻ったところで彼から仕事が終わったとの連絡。早速待ち合わせの場所まで移動しようとした時、とんでもないことに気づきました。

そうです、私はデリケートゾーンの除毛を忘れていたのです。実はそのクリームはある程度毛の長さがないと除毛しにくく、手入れしやすいように伸びるのを待っていたところ、すっかり忘れてしまっていました。

そこで慌ててホテルのアメニティを探しましたが、T字カミソリはありません。近くのコンビニまで走っても時間がかかってしまいます。仕方なくフロントに行くと、「T字カミソリ」と言う単語を聞いたフロントマンから怪訝な顔をされてしまいました。

きっと何に使うのかと思ったのでしょうが、まさかデリケートゾーンを剃るとは答えられません。怪しまれながらもゲットしたカミソリを持って自室に向かい、バスタブの中で処理を始めます。

しかし、あまりに慌てていたため血が出てしまいました。痛いし時間がないしでもう散々。それでもなんとか形を整えて部屋を出ると、彼から再び電話が。

「仕事で呼び出された、ごめん」。彼の担当しているシステムのトラブルがあったらしく、今夜は徹夜になるとのことでした。一体私の必死の努力は何だったのでしょう。

ヒリヒリする股間に落ち込みながら、次の日私は一人寂しく家に帰りました。ちなみに、その後きちんと仕切りなおしをしていろいろと上手くいったので、今となっては良い思い出です。


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